アメリカの分断 2017 8 20
このテーマは、何年も前から、
つまり、この10年間、何度も書いていますが、
心配なので、これからも何度も書きたいと思います。
2017年8月20日の日本経済新聞Web刊には、このような記事があります。
「国家=支配階級の破壊が目標だ」
こう公言していたバノン氏が政権の重要ポストに就いたのは、
大統領選でトランプ氏の理論的な支柱だったためだ。
白人労働者の怒りを代弁し、
移民や有色人種への差別も辞さない異例の戦略でトランプ氏を当選に導いた。
(引用、以上)
多くの日本人には、
「白人労働者の怒り」という部分がわかりにくいでしょう。
そこで、もっと明白に書いてあるメールマガジンを紹介しましょう。
2017年8月20日の「国際戦略コラム No.5938」には、このような記事がありました。
バノン氏は、下層階層の白人たちの不満解消を目指したが、
白人下層民は、白人至上主義という考えを伴うので、
とうとう、トランプ大統領もバノン擁護ができなくなった。
英語は世界に広がり、
グローバルに米国へ優秀な人が集まる。
世界からの移民も多い。
それを米国は受け入れてきた。
このような人たちによって、
米国は最先端技術を開発して世界経済のトップに立っていた。
しかし、その陰の部分がある。
このような移民や優秀な人たちに、白人たちは職を奪われてきた。
一部の白人しか金持ちになれず、
大多数が落ちこぼれ、貧困層になってしまった。
この貧困白人たちも、
移民と世界からの技術者たちが、
自分たちの貧困の原因であるとみて、白人至上主義になっている。
この貧困白人の支持を受けて、トランプ大統領は選挙に当選した。
その戦略を練ったのが、バノン氏である。
(引用、以上)
「アメリカには民主党のアメリカもなく、
共和党のアメリカもない。
あるのは、ひとつのアメリカである」と演説して、
大統領への足掛かりを作ったオバマ氏だったのに、
結果的に、オバマ氏は、アメリカの分断を作り出してしまった。
その政策が、極めてリベラル、
つまり「超リベラル」だったので、
それが、アメリカ分断の原因になりました。
私は、アメリカをまとめるのは、
「センターライトであること、
つまり、中道右寄りが必要である」と何度も書きましたが、
オバマ氏は、中道左寄りどころか、「左派」の政策を推進したと言えます。
さらに言うならば、上述のとおり、
オバマ政権によって忘れ去られた白人貧困層の存在でしょう。
オバマ政権は、黒人や中南米の移民や「不法移民」には、
ふんだんに予算を使いましたが、
白人貧困層は忘れ去られてしまったのです。
つい、うっかり忘れたのか、
それとも、白人貧困層に対しても、
得意の「戦略的忍耐」という「見て見ぬふり」という政策だったのか、
よくわかりませんが、
白人貧困層の怒りは、想像を絶するものでした。
私は、オバマ政権下で、「白人の反乱」が起こるのではないかと思いましたが、
多くの白人は、日本人と同じように、忍耐強いものでした。
しかし、2016年の大統領選挙において、「白人の反乱」は現実のものとなりました。
もう一度、言ってほしい。
「アメリカには民主党のアメリカもなく、
共和党のアメリカもない。
あるのは、ひとつのアメリカである」